商社の事務から新聞社の編集記者へ

幼いころから新聞記者になることが夢でした。それは幼いころに読んだ新聞記事のような人を引き込み考えさせる記事を書きたいと思ったからです。それでもロストジェネレーションと言われる就職氷河期に加え、私の能力のなさから新卒での就職はできませんでした。

商社に就職をして事務の仕事に就きました。覚えることばかりでしたが、働き始めると手ごたえがあり、やりがいのある仕事でした。若い社員が多い会社で、何かと男性社員が女性社員に仕事を押し付けるような風潮がありました。人にもよりますが、男性社員に責任感が足りないのではと感じました。やりがいを感じるようになると更に仕事量は増えました。お客様からの期待にも応えなければと毎日2~3時間ほど残業するようになりました。

非正規社員が多い世の中、正社員という身分がありそれを守るために惰性で仕事をしているような自分がいると気が付きました。このままでいてもいいけれど、もう一度夢を持っていた自分にかえってみようと思い転職活動をしました。就業しながらプライべーとで勉強をして新聞社の試験を受けました。そしてようやく入社できることとなりました。

仕事面での前職との違い

全てにおいて異なります。仕事内容は記者。地方の記者からスタートです。先輩や上司について多くの取材先や県庁、警察などを回りました。そして編集局へ異動しました。そこでは社会部が取材し出稿した記事を新聞紙面に編集をします。見出しをつけ、どのくらいの大きさでこの記事を取り上げるか、一面の頭に(トップニュース)にするのはどの記事にするのか、写真はどれにしどのように置くのか。決められた時刻表に伴って紙面を作成していきます。

締切時間間近に飛び込んでくるニュースをどの紙面にどの程度入れるか、そのニュースを入れることによりどう紙面を作りかえるか・・・緊張しながらも確実にこなさなくてはならない仕事。惰性ではできない責任ある仕事です。読者の方にいかに読みやすく、どう伝えるか、記事を書くこととはまた違う、読者の方と向き合う最前線にいるような気がする仕事でした。

待遇面の違い

商社時代は基本給がありそこに各手当が付いていきます。新聞社では勤務時間に決まりがあっても深夜勤などの不規則勤務が必須となります。それに応じた給与体系となります。商社時代よりは深夜勤務があることもあり、給与は良いです。しかしながら拘束時間は非常に長くなります。災害時は休暇日であろうと出勤が必須となります。

転職前に予想していたことと違ったこと

あまりにも普通の会社とは違うので「予想」というものをしていませんでした。勤務時間中、締切時間を過ぎると少し個人個人で休憩が取れます。外食は絶対にできません。次の締切時間があるからです。勤務前にビル内や目の前のコンビニやカフェで購入してきた飲食物を席で食べるといった感じでした。勤務中はゆっくり昼食やお弁当を食べる、夜ご飯を食べるということは一切ありません。

服装は社会部の記者はスーツが必須です。しかしながら編集記者はラフな服装で良いということに驚きました。商社時代は制服が支給され着用が必須でした。制服がないので更衣室で着替えるといった手間はなく、ジーパンなど動きやすい服装で良いというのが意外でした。

そして編集記者には自分の席がないということです。当日の担当する紙面によって着席する席が決まります。一面、二面、社会面、国際面、経済面、生活面、スポーツ面・・・。数多くの紙面が存在します。担当する紙面に着席し仕事を開始します。

席がないからといって自分の居場所がないわけではありません。ノートパソコンが支給されているのでそれを持って担当紙面に着席するか、紙面変種を担当しない日に出勤した場合は空いている席でパソコンを使用して仕事をします。指示をするデスクも同じで自分の席はありません。担当紙面のデスク席に着席をして勤務をします。自分の席がないということも驚きでした。

前職との違いはほとんどすべて・・・と言いたいほどです。 おそらく前職の商社は世の中のイメージする「会社」「オフィス」といったものでしょう。 それから見ると新聞社は『異職』と言われるのではないかと思います。 安易に転職は勧めません。しかしながら、自分に覚悟があり転職をした理由や転職してでもやりたい仕事があるのであればやってみることは良いと思います。